お客様へありがとう

ネットショップが通常の店舗と異なるのは、お客様との対面がないことだ。毎日多くの方がイプログダイレクトでソフトウェアライセンスを購入してくれているにも関わらず、実際にイプログダイレクト側で行っていることと言えば、定型のお礼の文章とご連絡のメールをお送りするだけだ。

もしこれが通常の店舗であれば「ありがとうございました」という言葉と感謝の念を込めた挨拶が、それを裏付ける笑顔とともにできるはずだ。言い換えれば目を合わせてのコミュニケーションが可能なはずなのだ。

1ユーザとしてネットを利用しているときに感じることは、どうも自分の相手は人間ではなく、コンピュータではないのだろうかと感じることだ。たとえばある問い合わせをしたとしよう。そのときに返ってくる返事はいかにも「貼り付けました」という内容のことが多い。実際にそれを「貼り付けている」のは人間なのかもしれないが、返事自体は(現代の)コンピュータが機械的に処理したものと同等のレベルなのだ。面白いことに、その機械的な返事に対してさらなる問い合わせをしても、返ってくる返事は機械的なものの場合が多い。その場合、もう自分は誰かに問いあわせをしているのではなく、単に機械と戯れているだけなのかもしれないと感じるようになってしまう。そして、さらなる質問をしようという気力がうせるのである。

このことはイプログダイレクトにも、残念ながら当てはまる事象なのかもしれない。お客様は生の人間であり、単にライセンスを購入しにイプログダイレクトを訪問してくれただけとは限らないのである。少なくともイプログダイレクトおよびその製品に興味を持ってくれた人なのだ。生きた生身の人間としてお客様を再認識する必要を感じるのである。