2005-12-06 「いいってことよ」 「許せない?」 でも、最後には許すしかない。 「許せるハズもない?」 でも、最後には許すしかない。 だって、 それしか、自分を救う道はないのだから。 必死の抵抗と否認をしていた老人を、若い文五は犯人と決めつけ、手荒な真似までした。その文五が自分の過ちを知り、深くうなだれて、老人にそのときの精一杯の謝罪をする。 「とっつぁん、すまねえ」 すると、老人は肩を振るわせ、怒りをあらわにしながら文五に近寄ってくる。けれど文五の眼前までやってくると、何かを飲み込むようにして、こう言うのである。 「いいってことよ」 (「いいってことよ」杉良太郎より)