対話

ウェブサイトに書かれた説明文よりも、ユーザサポートに直接聞いた方が、はるかに分かりやすいのは、それが対話になっているからなのであった。

ところがユーザサポートに問い合わせても、ロボットがコピペするような返答しか来ない場合がある。対話をコンピュータにやらせるにはまだ早いようだ。

うちでは対話ができる生身の人間がユーザサポートを担当している。ただし生身の人間といえども対話ができるのは、そう多くはない。

それでは、書き言葉より優れ、かつ力強い言葉とは何か。それは、語るべき人には語り、黙すべき人には口をつぐむすべを知っている言葉、すなわち語り言葉だ。「考え」(ロゴス)が最も生き生きと、かつ正解に、自分を表すことができるのは、僕らの対話の言葉なのだ。
(「帰ってきたソクラテス池田晶子 あとがきより)