不滅

そう、それは確かに存在して

人から人へと乗り移る。


そう、それは滅することなく

育まれ、洗練され、昇華する。


私たちはただ、

その魂のための乗り物なのだよ、きっと。

よく聞くとその声は、亡くなった父の声でした。「佳子、そこはそうじゃない」。指の位置がずれているのだろうか。場所を少し変えて同じように行うと「そうだ、そうするんだ」と、確かに聞こえるのです。父がまだまだ未熟な娘を心配して、きっと天国から下りてきたに違いありません。
(「ファーストキスのように」猪股佳子より)