サクラ

一年前も桜を見たが、

一年前の私はもういない。


今年の桜が去年と違うように、

今年の私は去年とは違う。


しかし依然として桜はサクラ、

依然として、私は私なのだ。


花をつけているときも、つけていないときも

それはサクラであり、つねにサクラである。


私もまた、一瞬一瞬がすべて私であり、

それらが織り成しているものが、すなわち私なのだ。