捨てる

そうか、捨てたんだ。


あれも捨てた、これも捨てた。

捨てて、捨てて、捨てて、捨てる。


捨てると不思議と、恵みがある。

いさぎよく捨てた褒美なのかもしれない。


さー、もっと捨てよう。

捨てて、捨てて、捨てて、捨てよう。


いくら捨てても豊かな心持ちは残る。

まるで捨てることこそが、豊かであることのようだ。

施しという言葉があります。この言葉の本当の意味は「捨てる」ということです。例えば誰かに何かの施しをしたなら、それはもう捨てたわけですから、見返りを期待するものではありません。そして互いに施しをしたり受けたりすることで、人と人とは心がつながっていく。
(半田孝淳)