幸福

 人間は、「喜び」という本能から、「幸福」という理性を創り出します。いい服、いい食事、いい家、いい相手、そしてセックス。これらを得れば人は幸せを感じますが、この幸せはより本能的な喜びに近いものです。「幸福」という理性は、進歩した時、何かを創造した時に得られます。 しかし、ここに二つの問題が生じます。
 まず、本能的な感情(情動)が小さいと、得られる幸福も小さいということです。本能の強さは、幸福になれる能力の大きさでもあるのです。次に、より大きな行動が、より大きな目的を達成させ、より大きな幸福をもたらすということです。つまり、幸福になるためには、本能のレベルの感情と意志の大きさが重要であり、理性的な知の役割はほんのわずかだということです。