「カガミよ、かがみよ、鏡さん、
私は一体どんな人?」

偉い人も、そうでない人も手術台に上がれば何も変わらない。「人間なんて、ちょぼちょぼ」がモットーだったが、病院の一外科医から大学教授、病院長、国立機関の総長と立場が変わる中で、おごりが生まれていたのかもしれない。「先生も、えろうなりましたな」。酒席で言われた一言に、目の覚める思いがした。
(日経11日朝刊「交遊抄」大島伸一より)