出会い

泣き叫びながら

人はこの世に生れ落ちる。

眼も見えず、

自由に動くことも出来ない。



一人外界に放り出され

へその緒は切断された。



孤独の淵の底

唯一の支えは

肌のぬくもり。



間もなく乳首を探り当て

ひと時の安堵を覚える。


やがて、母を知り、父を知り

家族を知る。


一人に生まれたけれど、

一人じゃない。


やがて友を知り、故郷を知り、

国を知り、世界を知る。


一人に生まれたけれど、

一人じゃない。