お化けはなぜ怖い?
子供の頃、
お化けが怖かった。
暗闇が怖かった。
なぜ、怖かったのだろう。
夏休み、
ばあちゃんちに泊まりに行く。
昔風の家、しかも田舎町。
そう、トイレは離れにある。
ポットン便所と呼ばれるやつ。
トイレに行くのは勇気がいる。
街灯もない暗闇の中、
外のトイレに向かう。
後ろから、なにか気配がする。
気のせい? ゾクゾクする。
怖くて振り返れない。
勇気を振り絞って振り返る。
誰もいない。何もいない。
今度は、前にいるような気がする。
今度は、前を向けない。
あー、怖い。
怖くなって小走りになる。
するともっと怖くなる。
お化けは幾らでも早く移動できるから。
お化けなんかいないと思ってみる。
でも、怖い。本当はいると知っているから。
押し寄せる仕事。処理できない。
何とか逃げようとする。でも、逃げられない。
出来なかったときのことを恐怖する。
言い訳を考える。でも、押し寄せる。
だから、逃げる前に、
お化けと話し合うことにした。
話し合うと、お化けはそんなに怖くないことがわかった。
そもそもお化けではなかったと気づくことも多い。
夏本番、子供たちを肝試しにつれてってやろう。