幻想

福沢諭吉の絵が描いてある

手のひらくらいの紙切れを

ぼくたちはお札と呼ぶ



この紙切れを束にすると

人はそれを車と交換してくれたり、

家と交換してくれたりする。



なぜか、ぼくたちはお札と呼ぶ

本当はただの紙切れかもしれないのに。


国の指定検査機関の検査合格書や

評価額がグングンあがっている株券や

ゴリッパな肩書を持つ人の本などなど。


本当はただの紙切れかもしれないのに。